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その他の病気

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病院での治療で治りにくいその他の病気

一般的な治療で治りにくい病気について、当院の治療をご紹介しています。

※お願い※
一般的な治療内容とは異なることもありますので、実際に内容を取り入れる場合はその点を踏まえ、当院の診察を受けていただくか、ご自身で責任を持って行っていただきますようお願い致します。

犬の病気

外耳炎

犬の外耳炎はなかなか治らず、繰り返す病気というイメージがありますが、外耳炎を全身の不調の一部としてとらえると解決する場合もあります。

マラセチア性外耳炎

マラセチアという酵母菌が検出されると、それが外耳炎の原因として考えられることも多いですが、皮膚病学会ではマラセチアは原因ではなく二次的な症状であると考えられています。
通常外耳炎になると、足(肉球の間など)を調べ、そこが赤くなっているとアトピー、マラセチアが検出された場合、指間皮膚炎として診断されます。
しかし、治療を進めても改善しない場合があり、その場合、栄養の問題が考えられます。
肉球の間に皮膚炎を起こす栄養障害は、必須脂肪酸欠乏症と、亜鉛の欠乏症です。
必須脂肪酸欠乏症はペットフードの脂質の劣化、亜鉛の欠乏症はおやつに含まれる保存料や添加物が亜鉛とビタミンAを損なう場合があるようです。
皮膚病や外耳炎の治療中に、ビタミンEやビタミンCの補給と同時にペットフードをやめ、おやつをやめると、改善するケースが多いです。

肉球間の炎症
肉球間の赤く炎症
肉球間の炎症
手の甲側の指間が腫れて炎症を起こしている。

もちろん、外耳炎の原因は様々で、アトピーやその他の自己免疫疾患でも起こります。
すべてが栄養補給によって改善されるわけではありませんが、改善のひとつの方法として考えていただけると良いかと思っております。

肥満細胞腫

免疫をつかさどる肥満細胞ががん化する病気で、肥満細胞は、ヒスタミン顆粒を持っていることから、大きくなると、顆粒の放出によって、動物をショック状態に陥れることもある病気です。

【転移病巣が消えた例】

肩のところにできた大きな腫瘍を取り除く手術のため、毛を刈ってみると小豆粒ほどの病変が広がっていました。
大きな塊は取り除きましたが、病理検査を出したところ、大きな塊・小さな病変部とともに肥満細胞腫でした。
術後に抗生物質とメシマコブを摂取していましたが、手術の抜歯を迎える1週間後には小さな病変部が消えていたのです。

その後、10数例ほどの肥満細胞腫の症例でメシマコブの投与を行いましたが、約50%の症例で効果が認められました。
当院では外科手術の前にメシマコブを投与して、メシマコブに反応があるタイプか見極めて治療しています。

肥満細胞腫
腫瘍を、取り除くために、手術を予定していました。毛を刈ると、小豆粒の病変が周りに広がっていました。
肥満細胞腫
手術後1週間で、転移病巣が小さくなっています。

てんかん

一度でも発作を起こした動物には、日ごろのケアがとても大切です。発作が起きないようにすることはもちろんですが、発作が起きた時の被害を最小限に押さえること、発作の程度を増幅する要因を排除することにあります。
当院では、日ごろのケアで大切なことは、食事ではないかと考えています。

糖質について

脳は、エネルギーを供給する栄養素として、糖しか受け入れません。
糖はエネルギーに変換される時に、何ひとつ老廃物を残さない、クリーンなエネルギー源なのです。糖以外の物、例えばタンパク質や脂肪をエネルギーにかえようとすると、たくさんの老廃物が出てきてしまい、それらの老廃物は、脳にとっては非常に毒性が強く、障害を引き起こし後遺症を残す原因となります。
てんかん発作となると、脳には過大な仕事が課されるため、糖分の補給が追いつかなくなることがあります。
てんかん発作の最中に、糖分の供給が途絶えてしまうと、脳は近くにある脂肪やタンパク質をエネルギーにかえて活動を維持しようとします。この動きによって、脳の中には急速に老廃物が溜まってきます。
脳には日ごろから、外で作られたこの老廃物を脳の中に入れないための障壁(血液脳関門)が働いていますので、重篤な発作の際は脳の中で発生した老廃物がその障壁を越えて外に出ることができないという現象が起き、その後の重大な障害や後遺症につながることがあるのです。
この現象は最悪の場合、ワンちゃんを死に至らしめますが、逆にどんなに重篤な発作の時でも、糖分の供給を十分に続けることができれば、障害も後遺症もなく、命も助かるのです。糖質の補給源としては、純粋に人が食べている甘い物(大量のチョコレートは除く)の他、米やパン、イモなどの、でんぷん質が有効です。

脂質について

コレステロールは少なければ少ないほど健康であるかのような誤解を受けていますが、実は体の中で一番たくさんコレステロールを持っている臓器は、脳なのです。脳はコレステロールに依存しているわけですから、脳の働きを健全に保つためにはコレステロールの補給を十分に行う必要があるのです。

マグネシウムについて

多くの成人病がマグネシウムの摂取不足からきているのではないかと考えられています。
大動物(牛や馬など)では、マグネシウムの不足が、「グラステタニー」という痙攣発作の原因になることが古くから知られています。
現在のところ、マグネシウムの不足が犬猫にそのような発作を起こすということは証明されていませんが、可能性はあります。
実際、私の病院では、マグネシウムだけを投与して、発作が消失した症例は数え切れません。
少し前にはマグネシウムが尿路結石症の原因だと考えられ、マグネシウムの摂取を控える動きもありましたが、現在は尿路結石症の原因は他にあると考えられており、マグネシウムを制限することにはあまり意味がありません。
少なくとも、てんかんのあるワンちゃんには、十分なマグネシウムの補給をしておくべきだと私は考えています。
家庭で利用できるマグネシウムの補給源としては、魚介類や海産物などが有効です。

食用オイル
お刺身と犬

猫の病気

猫下部尿路疾患と一般的治療

猫の下部尿路疾患は、かつてはFUS、猫泌尿器症候群と呼ばれた疾患です。
病態は、変幻自在で多くの顔を持っており、その主たる原因は、食餌中からのMgの過剰摂取が原因ではないかと考えられてきました。
そして、ひとたびこの病気にかかると、長い将来に渡って再発を繰り返し、最後には腎不全をきたして短命のうちに死亡することを、臨床に携わる獣医師は経験によって知っていました。
その一方で、抗生物質が良く効くことも経験では知っていましたが、培養の検査で、それを証明することが難しく、学術的には、証明することのできない治療は間違いであるとされてきました。

当院での取り組み

当院ではこの問題について、採取した尿を血液培養用のカルチャーボトルという培養器具を使って検査することで、菌の検出率を大幅に上げることができることを見つけ出し、学会ならびに雑誌に発表いたしました。
この方法では、FLUTDの猫の尿で最大80%の検体で菌が検出されるため、抗生物質の使用が必須であることがわかりました。
実際に、多くの猫が、抗生物質の1ヶ月投与で、元の生活に完全に復帰しています。
現在の日本では、FLUTDの治療はFLUTD用のフードに頼る治療が一般的のようですが、決して完治したといえる状況ではありません。
完治とは、処方食のような治療すらも一切必要としない、本当に自由な生活に戻ることが完治であると私は考えています。
動物がより快適な生活を送れるように願っています。

猫

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